Orkut を救う 13の方法

著者: Rebecca Blood

オリジナルサイト: Digital Web Magazine

日本語訳: Takeda Eiji / Ikarashi Yoshinori


以下の文章は、Digital Web Magazine で公開された、 Rebecca Blood による、 Thirteen Ways To Save Orkut の日本語訳である。

本文書の翻訳については、 五十嵐喜則 さん に協力をいただきました。ありがとうございます。

また、 yomoyomo さんからも助言をいただきました。ありがとうございます。


皆が知っているように、 Google にとって Orkut は混戦模様の "ソーシャルネットワーク"の分野に切り込むためのとっかかりだ。 Google という強力なブランドと、招待のみでの参加というシステムが 組合わさって、私達は、「これに参加しないと時代遅れになるじゃないか?」 と思わされてしまう。 Orkut は、他のソーシャルネットワークサービスと同じように、今までより もずっと簡単にデートの相手や友達やビジネスパートナーを見付けることが できるシステムを提供していて、他の全てのソーシャルネットワークサービ スと同じように、ユーザに最も興味があるものや最も欲しいものを挙げさせ るのではなく、既に用意されているいくつかの項目を埋めることになってい る。 その結果、 "(この業界で) 成功するには柔軟性がなさすぎる" という状態に Orkutは陥っているんだ。

Orkut には一点、他に無い長所がある。: 私達の特徴の内、ただ一種類だけを 抜きだして関連付けるような他のサービスとは違って、私達の生活、個性、 社会性、そして仕事上の特技といった人生の全ての局面を取扱っている。 幾人かの学者はこうした点から、私達が相手と状況に応じて違うペルソナを 使い分けるっていうんだけど、相手と状況に応じてペルソナを使い分けるなん て、いつもやってることだよね。大体、いろんな要求 (訳注: 例えば、彼女が 欲しいとか仕事が欲しいとか) ごとに別々のサービスを使い分けるよりも、 一つのサービスをうまく使っていくことの方が、面倒が無くて魅力的なんだ。 だから、私達の振舞いを型にはめるより先に、私達が自分で 「現実よりも良い繋がり」 を作れるような環境を提供することに、Orkut はもう一度目を向ける べきなんだ。だって、いろんなサービスを提供するっていうのに、前もっ て決められたことしか設定できないなんて、時間の無駄じゃない? もし、Orkut が、私達一人一人が自由な表現でコミュニケーションできるよう なシステムになったら、他のシステムに移ろうなんていう気は起きなくなるだ ろう。そうしてくれないと、別の新しいソーシャルネットワークが出てきたら、 すぐにそっちに移動してしまうよ。

今のシステムの形では、難のある関係モデルと、デートの相手探しへのやりす ぎともいえるぐらいの入れ込み、問題のあるユーザインタフェース、そして、 ほとんどまともに考えられていない機能といった問題抱えている。だから、 Orkut が、息の長い一番優れたソーシャルネットワークサービスになるために は、これらの欠点を修正する必要があるんだ。

1. ユーザ利用同意書を変更して!
今の Orkut の利用規約はこんな感じ。

By submitting, posting or displaying any Materials on or through the
orkut.com service, you automatically grant to us a worldwide,
non-exclusive, sublicenseable, transferable, royalty-free, perpetual,
irrevocable right to copy, distribute, create derivative works of,
publicly perform and display such Materials. 
<<参考訳>>
orkut.com を通じて 提出・投稿・表示された全てのコンテンツは、orkut により、
全世界で、包括的な、サブライセンス化が可能で、翻訳可能で、著作権を認めず、
終身的で、取消の出来ない、コピーが公開されうる、再配布可能で、派生的生成物を
作成可能に、公開し表示出来る、という事柄に対し、自動的に同意するものとする。
とんでもない話だ。この規約読んだ人は、価値のある文章とかをプロフィールや フォーラムに載せることをいやがるだろう。 芸術家や、文筆家, そしてあらゆる種類の創造的な人々 -- そうした人々はオン ラインだろうが現実世界だろうが、あらゆるソーシャルネットワークで引っ張り だこなんだけど -- は特に、もっと納得できる規約のサービスに心ひかれると思う。

一方で、Orkut より友好的で前進的な競争相手である Flickr の規約は次のようになっているんだ。

We claim no intellectual property rights over the material you
provide to the Flickr service. Your profile and materials uploaded
remain yours. You can remove your profile at any time by deleting your
account. 
<<参考訳>>
我々は、Flickr サービスを通じて貴方が提供した知的財産に対し、いかなる
所有権も請求しない。貴方のプロフィールやアップロードした素材は貴方のも
のであり続ける。貴方のプロフィールはアカウントを削除することでいつでも
消去することができる。
今まで Google は、その革新性と優秀さから皆の信頼を得てきたんだけど、 Orkut で、こんなに制限された規約を使い続けたら、Google ブランドへの 信頼性を傷を付けるリスクになるだろうね。

2. 知人をランク付けできるようにして!
私達が自分で "友人", "知人", "知ってる人", "尊敬する人" とかを設定して、 どのカテゴリへでも人を割り振れるようにしてほしい。もしお互いがお互いのことを 同じように思っているのだったら、それが相互の関係であることを示すアイコン、 もしくは、名前の周りへの括弧とかがついていると分かりやすい。

私は前もって接触があった人々からのみ "友達" への招待を受け付けていて、 私の "友達リスト" には、私がよく会う人々、たまに会う人々、一度ぐらいなら 会ったことのある人、メールのやりとりをしたことのある人、私がよく見るサイト の運営者、そして私のページをよく見に来てくれている人が含まれてる。 結構、敷居を低くしてあるんだけど、私がその成果を良く知る人や、私のサイトを 読みに来てくださる人々の多くとは Orkut 上の関係を持てていないんだ。

友達になろうといってくる人を誰でも "友達" だと認めるということは、 "友達" という言葉のもつ意味を、完全にはぎとってしまっている思うんだ。 どんどん友達を追加していってるユーザにも一理はあるとおもうけど。 既に知っている人々を単にリストアップするために ソーシャルネットワークを 利用するのなら、ソーシャルネットワークという仕組みの用途はどこにあると いうんだろう? 知人に対するランク付けなしでは、Orkut は、ソーシャルネッ トワークとは無関係の、ただのアドレスブックや予備の blogroll になり下がっ てしまうだろう。目新しさが無くなってしまえば、どちらもユーザを引き留め るだけの魅力はないと思うけど。

3. 好きな人のファンにならせて
会ったこともない人を尊敬することって良くあるよね。"友達" の機能の 一部として "ファン" というものをもってきちゃうと、Orkut が、高校の派閥 をちょっと大きくしたものに見えてこない? この機能がそんなテーンエイ ジャーのように振る舞う限り、このサービスはただのノベルティ以上のものに はならないと思うんだ。

4. 人気者コンテンストを推奨するのはやめて
"友達を評価しよう" と通知するのはやめて欲しいね。実際、ランキング基準 をまっさらから再考してほしい。ビジネスや社会的な見地からすれば、 "Trustworthy(信頼に値する)" は良い指標だけど、"Cool(素敵な奴)" はそう じゃないし、"Sexy(セクシー)" は極めて個人的な評価だ。他の誰もそうは思 わなくても、自分がそう判断するならそれでいい。こんなものは取り除いてし まっていいんじゃないかな。

5. 誕生日のリマインダを削除してよ
私にバースデーカードなど送れって言ってくれなくてもいい。頼むからほっと いて。

6. スパムをお互いに送りあう以上のことを、 "Friends of Friends" が出来るようななにかをユーザに与えてよ
もっと目標を定めた方法で、FoF のネットワークからあるメンバーに辿り着く ための手助けが欲しい。だって、検索こそが Google のもっとも重要な資産で しょ。ユーザに、キーワードで友達ネットワークのなかを検索する事が出来る ようにして欲しい。そうすればユーザはお互いの共通点を通じて関係を結ぶこ とができるようになるから。 共通の興味や目標を通じて人々が関係を結べるように、なにかしらの方法を 工夫してくれるともっといいんだけど。

7. ユーザ情報に「欲しいもの」「余っているもの」欄を追加して、 そしてその情報を検索できるようにして!
Orkut のライバルソーシャルネットワークシステムの Ryze だと、ユーザ情報にこれらの情報を書き込めるけど、結局自分で全部その情報を 調べなきゃいけないんだ。自分の知ってる人全員に中古のサーフボードを探して るって言えば、いらなくなったのを持ってる人を見つけることができるかもしれ ないけど、そんなことは別にコンピュータが無くてもできるよね。「サーフボー ド探してるんだ。」と言えば、Orkut がサーフボードを捨てたいって思ってる人 を探して知らせてくれる。そういうのが技術の勝利ってもんじゃない?

8. Orkut の見た目、もっと色々設定させて
自分が参加してるコミュニティを何個表示するか、フォーラムの記事は何個 表示するか、フォーラムの記事を昇順でよむか降順で読むかといった項目を 設定できるようにして欲しい。あと、友達やコミュニティをアルファベット 順に並べたり、追加した順番に並べたりできるようにして欲しいね。

9. 専門プロファイルの中で、複数の職種を選択できるようにして
世の中にはいくつかの仕事をやっていたり副業を持ってる人もいれば、いろ んな職種で働いてきた人もいるし、他の職業に移りたいと思っている人もい る。実際の人生ってそんなもんだから、サービスもそれに合わせて欲しい。

10. コミュニティを作るときに、キーワードをつけるように促してよ
コミュニティにキーワードがあれば、全てのコミュニティの横に"関係するコミュニティ" 欄をつけたりできるし、さらには、似たような嗜好の人 を繋げることができるよね。

11. 参加してるコミュニティのどれが更新されたかを、自分のページに表示してよ
更新のあったフォーラムのタイトルをボールド表示するだけで、控えめながらも 十分な効果が得られると思う。

12. ページからページへの操作をもうちょっと何とかして。
右下に "more" ボタン、左下に "back" ボタンを置いて、ページ間の移動を しやすくして欲しい。他のボタンはまとめてどっかに置いといていいから。

13. "My Friends (友達リスト)" をもっと使いやすくして
"友達リスト" には、Orkut の上での友達がリストアップされていて、"My Network" は "My Friends" と同じ情報を、更に少ない情報と一緒に別の方法で並べて表示してくれる。 だけど、"My Friends" に含まれていないような情報を表示してくれるんじゃなければ、 "My Network" って必要無いんじゃない? 人との関係にランク付けができれば、 "My Friends" (もしくは "People I Know (知合い)") には、私からリンクを張った人 をまとめておけるし、"My Network" には、私とリンクを張っている人をまとめておけて 便利だよね。



これらの 13個の項目について変更したからって、Orkut がソーシャルネット ワークの世界でものすごいものになるとは限らない。でも、Orkut のサービス が使いやすくなって、今後の一層の発展の基礎にはなると思う。この、個人や 社会, ビジネスといったものを統合した機能があれば、Orkut には他の競合者 を凌ぐ機会が十分あると思うんだ。Orkut が人々が本当に望んでいることをサ ポートするという賢い選択を行えばね。


初出公開: 2004年03月02日, 最終更新日 2004年03月24日
著者: Rebecca Blood
日本語訳: Takeda Eiji (E-mail: takeda@open-sip.org)